sage body

付き合って5年になる男がいる。
まさか!と思われるかもしれないが、お互いかなり相思相愛だ。
でも、付き合い始めた頃、その男は、ことあるごとに、
自分がいかに女性にモテてきたかということを 滔々と語るのだった。

故郷の学校ではクラス中の女子が自分に好意をもっていた。
就職先でも、社員の可愛い女性で自分が声をかけて断る人はいない、
落ちなかった人はいない、自分と結ばれず仕方なく別の男と結婚した人が何人いたことか・・・といったことを具体的に。

Rちゃん(幼馴染)とは、再会した時そのままホテルに行ってズッコンバッコンやった、
身体をビクンビクンさせて喜んでいたな。
Nちゃんとはセックスの愛称が良くて、いろんなことした、顔にぶっかけたりアナ○攻めもめちゃくちゃ喜んでくれて、10年も身体の関係が続いて楽しかった。
Mは、本当に美人で2回りも歳下なのに自分のことを欲してやまない、
自分に巡り合うためにここへ(彼の職場)来たと言って毎日毎日メールのやりとりをしていた、
今だに自分を忘れられずにいて面倒見て欲しいらしい。
Aさんとは最後まではしてないが巨乳でスタイルがよく、めちゃくちゃ好きになられて困った、(注;私は貧乳です)とか。
他にも、行きつけのスナックで言い寄られているKさんに、Tさんに、ホステスAちゃんやら誰やら。
趣味関係で出会ったJさんや行きづりの中華料理店のバイトの女の子、留学生だったAちゃん、
同じ職場にいた・・・さん、思いだせばキリがない。
別に皆と深い関係になったわけではないだろうが、自分さえその気になっていたらそうなっていたということばかり。
自分とそうなりたい人がたくさんいということ。

まさか、誰にでもそんな話をしてるわけではなく、たぶん、私にヤキモチを妬かせたいのと、
こんなにモテる自分が私を選んでいるんだよという代わりなのかと思うのだが、
逆に それらの記憶が私を苦しめる。

私は彼の最後の女性になりたいのだが、やっぱりいつか、他の女性にとってかわられて、
その女性にまた、彼の恋愛遍歴の一つとして付け加えられて面白おかしく話されるだけになるのだろうか・・・、と思うと悲しすぎて涙もでない。

滑稽だな。

こうして書いてみると、私はなんて愚か な女なんだろうと思う、

そんな話を黙って笑って聞いてたなんて・・・。

ばっかじゃないの?
そんなにモテるなら、私なんかと付き合わなくていいじゃん!」
って、頬っぺたのひとつもひっぱたいてやればよかったのに。
・・・ほんと、ばっかみたい。

華の命は短くて・・・とは、よくいったものだ。
どんどん皺は増え、肌のハリはなくなっていき、外見だけでなく、物忘れはするし、いろんなことがテキパキとできなくなってきた。

それなのに、彼の恋愛遍歴のことは まるで昨日聴かされたかのように覚えてる。
忘れられない。海馬の記憶になってしまった。

その何倍も楽しい記憶もたくさんあるのにな・・・。
早く呆けて忘れてしまいたい。彼の恋愛遍歴だけは。


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